アートとデザインの境界線。何かを生み出す人はどちらかの選択を迫られるの?
アートとデザインの間には、明確な境界線があって、どちらかを選ばなければならないと思っていた。何かを生み出す仕事には、アート派とデザイン派があって、みなどちらかに所属していて、それぞれの目指す方向性は逆のベクトルであると思っていた。
高校生の時、大学進学の前に文系か理系を選択するように、ある時点でアーティストかデザイナーの選択を迫られる。
でも、社会に出てから気づくのだけれど、文系と理系の違いなんてさほど重要ではなくて、どこ出身かなんて関係なく、ごちゃまぜになって仕事をしているように思う。
アーティストは、とことん自分を掘り下げ、自己表現を追求する人。デザイナーは、ユーザーやクライアント、とことん相手のことを考え抜く人。
とはいっても、自己表現の中から人々の為になるものは生まれてくるし、自分を極力押し殺したデザインからも、その人らしさはにじみ出る。アートの中にデザインは含まれているし、逆もまたしかりなのかも。 実は、境界線は曖昧で、きっぱりとわけられるものではないのかも。
どちらか一方を選択し、それだけを追求していく行き方はかっこいいと思う。でも、僕にはそれができそうにないのなら、どちらも行き来できる柔らかさに焦点を当てるというのはどうだろう。
デザイン的な感性が求められる時と、アート的な感性が求められる時、どちらの側にも立つことのできる振れ幅、これが僕のスーパーオリジナルであるなら、それは、そうだったらいいなと思う。
補足
僕がこんなめんどくさいことを考えるのも、この記事に書かれているような思いが背景に流れているからです。
米国のデザイン教育から学んだこと | freshtrax | btrax スタッフブログ
“What is the difference between art and design?”(デザインとアートの違いとは何か?)この質問は、米国で初級デザインクラスを受ける学生達が、教授達から頻繁に投げかけられる問いの1 つです。何故この質問がよく使わるのかというと、デザインを習い始めた学生の多くは、デザインとアートを混同しているためです。デザインとアートの間に は、決定的な違いあります。それこそ”Design solves a problem, art is expression”(デザインとは問題解決であり、アートとは自己表現である。)というものです。ここから言えることは、Why?をBecauseで説明出来なければ、それは明らかにデザインではないということなのです。何となく、個人的に好きだから、感覚で、といった理由を述べた時点でそれはアート(自己表現)であり、デザイン(問題解決)ではありません。
おまけ
と、そんなことを考えていたら、Facebookで稲波のおじさんが、むちゃくちゃカッコイイことを言ってくれました。
アートとかデザインとか、カテゴライズすることに本質的な意味はない。カテゴライズされることで、安心してはいけない。きっと、カテゴライズされないことが価値だ。アートとよばれようが、デザインとよばれようが、やりたいことをやっている、そしてそれを人から求められる。それがミズノの価値だ。ミズノはミズノというカテゴリーを生きるからこそ意味がある。そのミズノだけの頂きを目指そうよ。なんつって。
ほーんと。そうだねー。