アイデンティティ水野の【ジブんデザいん】Blog〜人生のデザインの仕方

Life can be designed. 人生をデザインしようぜ!どうしようもなく生きづらい自分を、どうにかしようともがいていく中で見つけた、自分の人生を自分でデザインする方法論、とかとか。

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自分が「持っている言葉」しか使えない。持っているは「経験した」といえるかも知れない。

「借り物の言葉」という言葉を、いつの頃からか使うようになりました。使い方としては、「それは自分の言葉じゃなくて、人の言葉を借りて言ってるだけでしょ。だから響いてこないよ。」と、こういった具合です。

借り物の言葉で話すのは楽なんです。世間ではこれが常識だから、テレビで誰かが言っていたから、先生が、親が、友達が、みんなが。借り物の言葉で話すのは、誰かがはじめに手を挙げて、それに続いて手を挙げるみたいなことだと思います。矢面に立つ必要がなく、責任を取る必要もない。常識知らずと言われることもないし、頭のおかしい人だと思われる危険性もない。

ほぼ日の、糸井重里さんと宮沢りえさんの対談に、こんなやりとりがありました。

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糸井:りえちゃんがこのまえ「ほぼ日」のページで、演出家の(デヴィッド・)ルヴォーさんと話をしているのを読んで、この子は引用じゃない言葉をずいぶん覚えたなと思いました。かっこいいなぁと。つまり、借り物の、使えない言葉はひとつもしゃべっていない。きょうもそう。すごいと思うんですよ。使えない言葉を使っている覚えはないでしょ?
宮沢:ないです(笑)。使えない言葉は使えない。
糸井:習った覚えもないわけだから。
宮沢:そう。わたし中卒じゃないですか。
糸井:中卒といえば、赤塚不二夫宮沢りえ
宮沢:それはちょっとうれしいな(笑)。だからこう、持っている言葉の中で、どれだけ自分が思っていることに近づける言葉を見つけられるかというのは、けっこう考えています。
引用元:宮沢りえ×糸井重里『試練という栄養。』 - ほぼ日刊イトイ新聞

強く頷きながら読んだように思います。もしかしたら、「借り物の言葉」はこの時の糸井さんの言葉を僕が借りただけなのかもしれませんが、そのあたりは忘れてしまったー。

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ほどなくして、ある方(Tさん)とLINEでこんな会話をすることになります。文脈としては、話すと長くなるのでざっくり人生相談と言っておきます。

Tさん:人を救いたい人には大切な商売道具になるよ!経験したことだけ、人に響く言葉になるしね!
ミズノ:そうかーその人生経験が商売道具なんですね。。。
Tさん:そうだよ〜〜。むしろ、売れるのは経験したことだけとも言える。笑

この、「むしろ、売れるのは経験したことだけとも言える。」にバッサリやられたわけです。そうか、そうなのか。だから、いいことも悪いことも、辛いこと悲しいこと苦しいこと、どん底のどん底まで落ちて、這い上がったと思ったらまた落っこちてなんてことも、商売道具だってこと!?なんてビバ、ポジティブシンキング☆

で、ひるがえって、「持っている言葉」というのは「経験した人の言葉」とも言えるんだろうなーということに思い至ります。自分の足で立って、自分の頭で考えて行動して、失敗しても自分で責任をとって、補食して反芻して消化して、排泄して、詳細にながめて血肉になった言葉。それが、自分だけの言葉、人に伝わり人を動かす言葉なんじゃないかと思いました。

そして、「持っている言葉」を増やすには、自分の足で立って行動することだけなんだと思います。